2011年12月27日

テレビ視聴率に見る人々の関心

 年末、ずっと低落しているテレビ界に久しぶりに良いニュースがあった。

 あるテレビドラマの最終回が視聴率40%を超え、これは11年ぶりの快挙だという。
 視聴時間が減っていると言われる現在の日本で、この視聴率は驚くべき数字で、人々は再びお茶の間のテレビに戻ってきたのかと思わせる。

 そういう面もあるのだろう。こういう時代だから、ホームドラマでも気楽に見ようかとの振れ戻しがあったとしても不思議ではない。
 このドラマは問題のある片親家庭に入った家政婦がクールながらも、温かい交流をするというものだそうで、よくあるホームドラマのようだと想像する。
 想像しかできないのは、私がこのドラマを一度も見てないからだ。メディアで伝えられている内容だけを読んで判断している。

 見ていないので何とも言えないが、内容が優れてるというが、他の低視聴率のドラマと同じような制作者や役者がかかわっているのだろうから、特にこのドラマだけが優れているとも思えない。
 片親家庭と救世主のようなクールな家政婦の組み合わせが、テーマとして震災後の日本に嵌ったのではないか。

 ドラマの内容だけなら、私は特に見たいとは思わないが、先日見ておけば良かったと後悔するときがあった。
 このドラマの主題歌を斎藤和義が歌っていて、よくラジオで耳にするメッセージ性の強い曲「やさしくなりたい」(「ずっと嘘だった」ほどはダイレクトではない)がそれだと知って、俄然興味が出てきた。

 原発マネーを貰ってきたテレビが宗旨替えをしたのだろうか、ドラマから斎藤和義の曲への流れはどんな感じだろうかと確認したくなった。
 もし主題歌に誘われてドラマを見ていれば、ついでに感動していたかもしれない。

 この家政婦ドラマを主演した女優の過去の主演映画が最近プライムタイムで放映され、その視聴率が散々だったとネットでは伝えられている。

 どうも高視聴率ドラマの理由はドラマの内容が良かったという単純なものではなさそうだ。
 原発推進だったテレビと反原発ソングの斎藤和義の組み合わせに驚かされた人々が、かなり惹き寄せられたのではないだろうか。



posted by 春眠 at 08:53| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月29日

米国環境保護庁公表のデータからわかるウランの飛散

 首都圏を走行していたクルマのエアフィルターからα核種の放射性物質が検出されたという事実が、ECRRのバズビー博士から報告されている。

 その後、日本の政府や自治体が居住環境のα核種分析をしたという話は聞かない。
 β核種については、横浜市民による計測でストロチウムが検出されたことを受けるような格好で、年度末を目指して、文科省では福島だけでなく関東も含めた線量の高い地点でのストロンチウムの計測を行う。

 β核種のストロンチウムの他にα核種のウランやプルトニウムの飛散状況も気になる。
 福島原発事故以後、アメリカの環境保護庁がアメリカ各州の放射能計測を行っていて、そのデータを参照したい。

 日本に近いということで、グアムとハワイのデータ、特にハワイのデータに注目したい。
 まず、グアムには3月19日のみでウランとプルトニウムがエアフィルターに検出されている。
 次にハワイでは原発事故以降3月21日のみでウランがエアフィルターに検出されているが、プルトニウムは不検出とみなしてよいとされる結果が出ている。

 日本との距離の違いがグアムとハワイの検出日の差となったのだろう。
 どちらもエアフィルターではα核種が検出されたが、降下量計測では検出されていない。
 グアムでもハワイでもα核種は大気中には飛散していたが、地表には落下しなかったと解釈していいだろう。

 ハワイのエアフィルターで捕捉されたウランの量も、過去10年の中で認められた量よりは大きいが、極微量と言ってよい量で、たとえばウラン238が0.00000796Bq/㎥となっている。
 同じ日にセシウム137は0.00278Bq/㎥検出されている。

 どちらも、アメリカ国民の健康への影響はほとんど無いだろうが、気になるのは日本への影響だ。
 ハワイで検出されたセシウム137に対するウラン238の割合は、
約0.29%となってる。

 この結果から、日本で10万ベクレルのセシウム137が検出された地点では、290ベクレル程度のウラン238があり得ると推定できる。
 セシウム10万ベクレル程度であれば、首都圏の一部地点でも検出されている。
 このことから、内部被曝による危険の大きいβ核種とともにα核種の広範囲での計測も求められよう。

posted by 春眠 at 10:48| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月30日

ハワイに飛散したウランと福島原発敷地内のウラン

 震災後、3月14日の福島原発3号機の爆発、15日の4号機の火災のあと、3月19日の1日だけグアムでウランの飛散が確認され、3月21日に1日だけハワイでウランの飛散が米国環境保護庁によって確認されたことから、このウランは福島原発由来のものと見られている。

 ハワイのエアフィルターで確認された大気中のウランの放射能濃度は以下の通りだ。

 ウラン235 0.000000296Bq/㎥
 ウラン238 0.00000796Bq/㎥
 ウラン234 0.00000714Bq/㎥

 次に東電が5月28日に発表した福島第1原発敷地内の土壌のウランの放射能濃度を示す。

 ウラン235 0.94Bq/kg
 ウラン238 23Bq/kg
 ウラン234 23Bq/kg

 単位は違うが、両者は似た傾向を持つ。
 ウラン238に対するウラン235の放射能濃度の割合はハワイで3.7%、福島原発敷地で4.1%とほぼ同じであり、ハワイも福島原発敷地でもウラン238とウラン234の放射能濃度がほぼ同じで、いわゆる放射平衡が成立している。

 この比を見れば、ハワイも福島原発敷地も同じタイプのウランだと推定できよう。

 東電は、福島原発敷地内で検出されたウラン234とウラン238が自然界と同様に放射平衡(放射能濃度が同じ)にあることと、ウラン238に対するウラン235の存在比が天然ウランとほぼ同じであることをもって、福島原発敷地内で検出されたウランは天然に存在するものと同じレベルと評価づけている。

 藤田保健衛生大学の下道國客員教授によれば、日本の土中のウランの平均濃度が29Bq/kgだという。
 原子力資料情報室によれば、ウラン238はもともと地殻に多く含まれており、玄武岩の放射能濃度は5.2Bq/kg程度だという。

 下道國客員教授と原子力資料情報室のデータからは、福島原発敷地のウランについての東電の見解がさほどおかしくないことはわかる。

 しかし、ハワイの大気中に確認されたウランも福島原発敷地土壌中のウランも、構成比が天然ウランとほぼ同じだからといって、ハワイやグアムで確認された日付と濃度から天然ウランとは考えにくい。

 福島原発事故以後、なぜ天然ウランと似たような構成比のウランが環境中で検出されたかについては、さらなら調査研究の余地があるだろう。

 それはそれとして、地表に降ったウランの再飛散による被爆を避けるため、国内の高放射能汚染地域での地表面のウラン濃度の計測が求められる。

posted by 春眠 at 12:23| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月31日

通訳泣かせの政治家の外国記者向け会見

 昔の日本の政治家の発言は言語明瞭・意味不明と言われることもあり、言葉としては間違ってはいないけれども、どういう政治をやるのかがさっぱりわからないということがよくあった。
 そういう日本語を外国記者向けに訳すのは通訳も苦労する。
 政治家が手の内を曝け出すと日本では後の政権運営や政局運営に大きな影響が出てくることがあるので、日本の政治家は肝心要をぼかして発言することが多い。
 だが、政治的な芸当でぼかしているとわかっていても、海外向けには恥ずかしさを感じるときがある。
 たとえば、外国記者に「日本語でアメリカは米国というのでアメリカは米の国だ」と言っても、通訳はどう訳したらいいのか苦労する。

 久し振りにそんな光景を12月19日の外国特派員協会主催の記者会見で見た。
 細野原発事故担当大臣は、福島を原子力安全規制の道場とすると日本語で言明したが、通訳はそれを意訳した。
 細野大臣は、通訳が道場を「ドージョー」と訳さなかったのが気に入らなかったようで、訳を訂正させている。
 日本の武道は海外にも普及していて、ドージョーは外国語にもなっているが、そんなに一般的に用語ではない。
 細野大臣は、あえて日本的な文化を前面に出したかったようだ。
 昔の政治家の意味不明な発言とはちょっと違うが、通訳にとっては訳しにくい言い方ではある。

 細野大臣が道場という言葉に拘ったのは、日本人にとって気がかりである。
 今後の原発対応で科学よりも精神を重視しようとしてるのではないかと思える。
 辛いことがあっても、合理的に解決するよりは、精神力で乗り切ろうとしているのではないか。
 もしそうなら、まるで精神力さえあれば、竹槍一本でも戦争に勝てるとした第二次世界大戦中の日本政府のようでもある。

posted by 春眠 at 11:12| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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