2012年02月10日

大飯原発再稼働を目論むストレステストの判定

 大飯原発再稼働のために関電が保安院に提出したストレステスト結果について保安院は妥当との評価を出した。
 意見聴取会では、原発の危険性を重視する専門家が問題点をいくつか指摘したものの、原発推進派が多数の意見聴取会で、再稼働に否定的な意見は、東日本大震災で東北太平洋岸を襲った津波のように押し流されてしまった。

 核の平和利用という謳い文句によって原発推進を支援するIAEAも、大飯原発のストレステストの結果を、いくつかの改善の必要な細かな点を除けば、問題無しとしていた。
 大飯原発再稼働に向けて国際的なお墨付きを貰ったようなものだ。
 だが、IAEAの調査は、IAEAのチェックリストに沿った検証にすぎないので、地震大国日本の特殊事情を考慮しているとは思えない。
 IAEAも日本での記者会見で、自分たちはIAEAの安全規則に従って検証しただけにすぎず、日本に原発の是非を提案するために来てはいない、原発利用の是非は日本が決めることだとの主旨で話している。

 保安院も原発利用の是非を決めるのではなくて、ストレステストの結果を前提条件のもとで適当かどうかを事務的に判断するにすぎないし、国際的な原発推進の親玉IAEAが良しとしたものを翻すのもおかしなことになるので、妥当とできてしまう。
 官僚制度では、ルールが恣意的に決められてしまったとしても、一度決められればそのルールに従って事務的に物事が運ぶ。

 大飯原発のストレステストで評価されたのは、地震の揺れと津波の高さへの対処だそうだ。
 1260ガルの地震の揺れ、11.4メートルの高さの津波に襲われても炉心損傷を起こさないことが決め手となったようだ。福島第一原発を襲ったものと比べても余裕があるとのことだ。
 だが、中越地震では2000ガルを超える揺れを柏崎刈羽原発で経験しており、福島第一原発でも津波の高さは13メートルあったとされている。
 少なくとも津波の高さでは、福島第一原発を襲った津波の高さを満たしていないのに福島第一原発事故を引き合いに出して妥当というのもおかしなものだ。
 しかも、現実に2000ガルの地震の揺れを経験していながら、それを無視するのも解せない。

 また、東電は一貫して否定しているが、福島第一原発は500ガル程度の揺れで原発施設が破損したという意見も、一部の専門家の間には根強くある。
 地震の揺れで配管系統の弱い部分が破損し、それと全電源喪失とのコンビネーションで原発事故の規模が大きくなったという見解だ。
 配管のギロチン破断のような大がかりな破壊ではなくて、配管に微小な穴が開いたという前提でシミュレーションすれば、福島原発事故と同じ現象を再現できると伝えられている。

 最近、地震学者や火山学者による大地震の予想や富士山の大噴火予想の話をしきりに耳にする。
 地震の活動期に入った日本列島での原発利用とは、日本と日本人の生命を賭けたバクチみたいなものだ。



posted by 春眠 at 11:14| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月11日

大阪市に続き東京都でも法定数を越えた原発住民投票を求める署名活動

 東京都での原発の是非を問う都民投票条例の制定を求める署名活動が今月9日に締め切られた。
 締切り1ヶ月前くらいまでは8万筆程度で、都民の原発への関心が薄れていて、署名集めに苦労しているとも報じられ、法定署名数の21万筆を超えるのか危ぶまれていた。
 署名には無効もあるので、過去の経験から最大で2割の無効署名があるとすれば、27万筆が必要となり、平均では1割程度の無効署名が出ているので、少なくとも24万筆程度は必要となる。

 この活動を主導する市民団体のホームページを見ると2月10日で27万筆を超えていて、28万筆に届こうとしている。
 これだけの署名が集まれば、たとえ無効署名が出ても、まず間違いなく法定数は超えるものと思われる。
 市民たちの努力が実り、大阪市に続いて東京都でも住民投票条例の制定を請求できることとなった。あとは議会が認めるかどうかの判断に委ねられる。
 この市民団体では、今後は議会や大阪市長、都知事サイドへの働きかけを強めるようだ。

 法定数に達するかどうか危ぶまれながらも、締切りに近づくにつれて、活動が盛り上がり、署名数が増えて行った流れは、大阪市も東京都も同じであることが興味深い。
 大阪市では年末に大阪市外から人の集まる巨大商業地域から、大阪市民の生活に密着した場所であるスーパーなどへと署名集めの主戦場を移してから、署名が急激に増えたようだが、東京都でも大阪市にならって、スーパーや団地のなどの都民の生活圏で人が集まる場所に署名の主戦場を移してから、署名数が急激に伸びたようだ。

 新宿駅前や渋谷駅前は、人は多くても東京都の外から来ている人も多いので、大阪市の梅田や難波と同じで、地元住民は捕まりにくいのかもしれない。
 また、見ず知らずの人がやっている街頭署名で、名前のほかに住所、生年月日、印鑑まで求められると、個人情報を別の目的で流用されないか不安になるし、詐欺師の署名かもしれないとの疑いも生じる。
 近年、巧妙な詐欺やら企業や官庁の情報流出などが増えているので、このへんも大きな駅での街頭署名が敬遠された理由かもしれない。
 こんな状況でも、住民の生活に密着したスーパーや団地での署名活動が大阪市でも東京都でも排除されなかったということに意義がある。署名集めの活動をときに不審の目で見ながらも、潜在的に原発を心配している人が多いからこそ、住民の生活圏での署名活動が受け入れられ、法定数超えの署名が集まったのだろう。
 最近は、東京でも大阪でも原発への関心が薄れていると言われるが、実はそうでもないと思わせる大阪市と東京都での署名数法定数超えの結果だった。

posted by 春眠 at 13:17| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月13日

放射能汚染された関東の不動産事情

 木下黄太や山本太郎などによるトークショーが今月10日に熊本で行われた。

 木下黄太は、放射能防御プロジェクトで昨年から首都圏の土壌の放射能を測定している。
 彼は、首都圏の放射能汚染によって予想される健康被害について警鐘を鳴らし、放射能汚染地帯となってしまった東京などの首都圏から避難したほうがいいと訴えていた。

 彼のもとには首都圏での健康被害についての情報が個人的にいくつかもたらされていて、昨秋から起こり始めている首都圏での乳幼児や若者の不可解な突然死の情報が寄せられているという。

 彼の見解では土壌の放射能汚染が50Bq/kgあたりから健康への危険信号が灯り始め、200Bq/kg、300Bq/kgくらいから目に見える健康の変化が現れるようで、食べ物を注意しても吸気で取り込む放射能がある限り危険であると断言していた。都内では普通に数百Bq/kgが検出されている。
 東京でも世田谷の高級住宅地の比較的締め切った家で50gのほこりから75ベクレルの放射能が検出され、キログラム当たりに換算すれば1500ベクレルとなる。そんな空気を都民は吸っている。
 首都圏の放射能測定を手伝ってくれた女性の学者は、首都圏の放射能汚染の深刻さを実感し、3月から関西に引っ越すという。
 木下によれば、放射能計測の結果、西日本は大丈夫だろうという。せいぜい数Bq/kg程度しか検出されていないし、かなり滞留してそうな地点でも10Bq/kg程度のようだ。
 そういうこともあって、彼は愛知から西への移住を勧めている。
 この見解には、当然異論や反論もあるだろう。個々人がどう判断するかだ。

 山本太郎は2月に大阪に引っ越すようで、昨夏から都内の自宅マンションの買い手を探していたが、なかなか見つからず、買値の半分程度まで下げたそうだ。品川の港南という人気エリアの物件でも、この程度まで価値が下がっている。
 また、山本は那須にも土地を持っていたが、これも売れず、自治体に寄付しようとしても断られ、結局あるお年寄りにタダで差し上げたそうだ。

 木下によれば、世田谷の不動産屋で掲げられている物件も価格が半分になっているようで、別の都内の不動産屋では、都内の物件ではなくて、京阪神の物件を紹介しているところ出て来ているそうだ。

 また、沖縄の不動産価格が上昇し、熊本の地価も上がっているという。
 戦後ずっと東京一極集中が続いて来たが、原発事故の放射能汚染によって図らずもそれが崩れようとしているのかもしれない。

posted by 春眠 at 11:39| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月16日

小型スーパーが進出する都心の不動産価値

 最近、東京の都心に小型スーパーが進出しているという記事を見た。場所は港区だという。
 過去5年間首都圏は人口の伸び率が極めて高かったので、首都圏の郊外にスーパーが進出するならわかるが、港区といえば東京のど真ん中で、高級品店が並ぶエリアとの印象があり、不動産価格も極めて高いのに郊外にできるような小型スーパーができた。
 そこには居住者もいるのでスーパーがあっても不思議ではないのかもしれない。
 それでも、極めて高い不動産価値に見合った利益があげられるかどうかが問題で、高価な高級品なら少ない品揃えでも採算が合うだろうが、安い日常品や食料を、店舗面積が小さく大量販売の難しい小型スーパーで販売して、採算性はどうなのかと疑問を持つ。
 日常品や食品を売るのであれば、それこそ都心の居住者を集中して呼び寄せられるような立地の大きめのスーパーで、高めの商材を扱わないと都心では難しいように思う。

 逆に、小型スーパーなら、店舗面積が狭いからこそ、都心部でも不動産費用を低くできるとの理屈も成り立つかもしれない。徒歩圏内にスーパーができるのは、都心部の住人にとっても嬉しいだろうし、少ないながらも採算がとれる程度には来客数を見込めるのかもしれない。
 ただ、気になるのは、報じられた港区の小型スーパーの開店が昨年の
11月だということだ。

 山本太郎は、熊本のトークショーで、自分の品川の港南にあるマンションを売るときに購入価格の半分にしたと明かしている。
 都心の人気エリアですら、価値が半減している。
 こういう情報はあからさまに外には出ないようで、山本は、東京では不動産が動いていないとも言っている。

 人口が増え続けている傾向のあるはずの首都圏で、不動産が動いていなかったり、実際に人気エリアのマンションが売れなかったりといった状態となっている。
 人口が増えるのなら、不動産価格は上がって行くべきなのに、一部で極端に下がっているということが意味するのは、実際は出て行きたがっている人が多くなっていて、来たがっている人が減っているということだろう。
 その理由は、おそらく福島原発事故によって起きた首都圏の放射能汚染だろう。

 都心部に進出した小型スーパーは、確かに生産性向上や効率アップで企業努力はしているのだろう。
 それでも、これまでなら高級品店でなければ採算のとれないエリアに進出できたのは、小型スーパーでも採算が合うレベルにまで都心の不動産価値が下がっているというように考えたほうが納得できる。
 小型スーパーの都心部進出は、今後の首都圏について何か暗示的ではある。

posted by 春眠 at 14:32| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月18日

宗教的パワーと行政改革

 大阪市の橋下市長が大阪府知事時代に世間で大いに騒がれたのが、私学助成金をカットする方針を打ち出したときで、教育関係者のみならず私立高校に通う高校生も巻き込んで大激論が沸き起こった。
 私立高校にはあまり豊かでない家庭の子供も多く通っていたので、府知事は大阪府の財政を健全化するといっても、単に弱者にしわ寄せしてるだけではないかと思った人も多かった。
 ところが、私学助成金カットとともに低所得者の子弟には経済支援する方針も打ち出し、本当に手当てを必要とする層に限りある府の予算を回しただけなのだとわかり、決して弱者へのしわ寄せでないことはわかった。
 他の件では批判はあるだろうが、この件については、弱者救済をしながら、財政を圧縮した手腕は素直に評価されていい。

 大阪府知事から大阪市長になっても、同じ手法をとるようで、大阪市の高校の統廃合についても、高校が減ると通学費に苦労する生徒が通えなくなるという意見に対しては、そういう子供には通学費の支援をすればいいと言い切る。
 教育の質向上と効率アップという相矛盾する改革に取り組んでいる。
 受験が激しかった時代は、教師が何もしなくても生徒のほうで勝手に勉強してくれたが、今はそういう時代ではなくなり、橋下は教師の質の向上を重視している。

 そこで話題になっているのが、君が代斉唱時に起立しない教員を指導し、罰するという方針だ。
 思想信条の自由を害する思想統制のようにも思える。
 困窮している生徒には優しく、教育の質向上を目指して、教員や教育委員会には厳しいのは良いとしても、思想信条の自由くらい許しても良いのではと思う。

 実は似たような手法をとった政治家が他にいる。
 国鉄や電電公社の民営化を成功させた中曽根康弘は靖国神社に公式参拝し、郵政民営化を実現した小泉純一郎は首相在任中に終戦記念日での靖国神社参拝を行っている。
 大掛かりな行政改革を実行した政治リーダーは、どうも国家神道に傾きがちなようだ。
 たった一人で組合の強い巨大な組織に立ち向かうのであるから、大人気の政治リーダーも弱くなるのかもしれない。
 巨大な組合や組織よりも強い何か、政治リーダ−よりも強い偉大な力に頼りたくなるのかもしれない。それが日本では国家神道的なものになる。

 ロシアでも似たようなことがあった。
 プーチンは2000年にロシア大統領になると、がたがたになっていたロシアの行政と経済を立て直した。プーチンは今はその強権的な手法に批判もあるようだが、大統領在任中は大多数のロシア国民が支持した。
 そんなプーチンは大統領在任中にロシア正教とユダヤ教の両方を大いに持ち上げた。
 共産主義という宗教じみた精神的支えを失ったロシアで、宗教を通じてロシア国民の精神統合を狙った。精神の統合されたロシア国民に自分の政策を流し込む。
 プーチンは強いリーダーと言われているが、それでも神様には敵わない。

posted by 春眠 at 09:34| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。