2012年03月12日

南相馬市の黒い粉でわかった藍藻の除染効果

 南相馬市で発見された黒い粉の高い放射線量の原因は、藍藻が放射性物質を吸着させたからだと植物学者から指摘されている。

 ところで、原発村の放射能廃棄の研究で、コケやカビが放射性物質を吸収することがわかっている。
 藍藻もコケの一種と見られていて、こうした原始的な生物は、無節操に無機物や有機物を吸収してしまうようで、放射性物質をも吸収してしまうのだろう。
 水槽などに汚れた水を放置しておくと藍藻はすぐに発生するようで、水の中の汚れをバクバク食べてどんどん増殖してしまうようだ。

 南相馬市ではこうした枯れた藍藻と見られる放射能を多く含んだ黒い粉がたくさん見つかっていることから、藍藻は、無機物の栄養が降って来たと放射性物質をバクバク食べてしまったのかもしれない。
 その枯れた藍藻が集まって黒くなった粉が至る所にあるようなので、原発事故以前に枯れた藍藻がこのように大量に見つかっていなかったのなら、その原因を考えてみる必要がある。

 京大の農学研究者が昨秋福島では豊作だったと伝えている。害虫がいなかったようで植物病が無かったのだそうだ。
 害虫がいなかったことと枯れた藍藻というのはどこかつながっているように思える。
 これらの微小な生物が放射能を吸収することで、微小であるがゆえに放射能の影響が大きく、内部被曝により殺されてしまったのではないかと推測できないこともない。

 南相馬市では現在は大気中に放射能は検出されなくなったようだが、昨年は検出されている。
 これらの放射能が落下したときに藍藻に吸着したと見ることもできる。

 藍藻は湿っぽいところを好むので、大気中から落下したものをそのまま吸収するよりも、どちらかといえば、雨水や雪解け水などの水で流された放射能を水の滞留する場所で吸収したほうが多いのではないかと考えることもできる。
 放射能吸収によって枯れた藍藻が、乾いた日に舞い上がって、アスファルトやコンクリートの上の風の吹きだまりに集められ、目立つので市民によって発見されたのだろう。

 藍藻がどうのようにして放射能を集めているのかよくわからないところがある。
 単に藍藻が放射能を栄養と勘違いして内部に吸収しているのか、あるいは、藍藻の表面にくっつきやすいので集まるのか。
 いずれにしても、藍藻が放射能を集めやすいことはわかったので、吸着の仕組みを分析すれば、放射能の除染剤として利用できるかもしれない。
 たとえば、放射能のこびりついた屋根に藍藻の成分の混ざった薬剤でパックしてしまい、パックをはがすときに放射能もパックにべっとり貼り付くようにすれば、取りにくい屋根の除染に活用できる。
 化粧品で使われる肌のパックでは皮膚組織にこびりついた老廃物を取り除くことができる。こうした肌パックの研究者も交えて、化学、分子生物学、植物学、放射能廃棄の専門家らが協力すれば、ユニークな除染剤が開発できるかもしれない。
 そこまでしなくても、水の流れの滞留するところに藍藻を繁茂させておけば、藍藻が放射能を自然に吸着してくれるので、ある程度放射能が溜まったら、その都度藍藻を除去していけば、放射能の除染になる。



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2012年03月14日

南相馬市の黒い粉に止まらない低線量被曝の広がり

 南相馬市で見つかった藍藻に集積された放射性物質から核種として確定したのはセシウムだけだが、β線とα線の反応も見られるようだ。
 かつて病気の治療薬としてα線核種が使われ、その副作用でがんが発生することが投与の30年後に確認されているので、α線の存在は気になる。

 高い放射線を発する黒い粉が発見された南相馬市では健康障害も出ているようだ。
 広島原爆症患者を長年診断し続けて来た肥田舜太郎医師は、この地域で脱毛が見られる女性の症状が被曝影響と思われるとラジオで発言している。
 この女性がかかっている医者は放射能の影響ではないと主張しているが、それだけ福島県内の医師が神経質になっているのだろうと肥田は言う。
 また、東京都内の集会で、南相馬市で除染ボランティアをしている男性が、心臓発作を起こす住民が出ていると警告していた。
 どちらも今のままでは放射能との直接の関係を示すことはできず、憶測で止まってしまうだろう。

 だが、南相馬市でα線を発する黒い粉が至る所で発見されたと知ると、やはり昨年の春ごろはα線核種も大気中にあって、それを吸い込んだ住民もいたのではないかと推測する。
 首都圏を走っていた車のエアフィルターからα線核種が検出されたことが、アーニー・ガンダーセンとクリス・バズビーの調査でも報告されているので、南相馬市にα線核種が浮遊していたとしてもおかしくはない。

 首都圏も福島とは程度の差はあっても放射能汚染されている。
 α線核種は、医学的にも健康影響が出ることがわかっているので、人間の身体に起きた異変は、その人が過去に経験が無ければ放射能の影響と考えることもできる。
 首都圏でも、食物に注意しても爪が剥がれる幼児がいるなど、大気中の放射能の影響が疑われる症例がいくつも市民グループによりネットで公表されている。

 東京都港区に住んでいた母親は、自分の子供を含めた5人の子供の尿からセシウムが検出され、砂場の砂を入れ替えても2ヶ月後には砂場から再びセシウムが見つかる状況に嫌気がさして、関西に避難した。
 港区といえば、昨秋、小型スーパーが進出したエリアでもある。人々が去るエリアの不動産の価値は下がる。小型スーパーが進出しても採算が合うレベルまで実際の不動産価格が下がっているのかもしれない。

 クリス・バズビーは日本で講演したとき、ベクレル値に応じて放射能汚染地域の住人は原子力産業から賠償してもらえと言っていたが、あながち冗談とも言えなくなっている。

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2012年03月16日

原発停止のおかげで日本経済復活の兆し

 1月の日本の経常収支は、過去最大の赤字額となった。
 赤字の内訳を見ると、輸出では中国向けの輸出が減ったことが、大きな赤字要因となった。中国そのものの経済成長が鈍ったというよりは、ヨーロッパ経済危機で中国からヨーロッパへの輸出が減ったので、日本からの部材や製造装置の中国への輸出も減ったようだ。
 経済不振の玉突き現象が起きた。
 もう一つの大きな赤字要因は、天然ガスの輸入が増えたことだ。

 天然ガスの価格高騰もあって、輸入燃料費は上がっている。
 原発停止で、原発分の電力を天然ガス火力で補わないといけないので余計な輸入燃料費が発生している。

 この状況で勢い付いているのが原発推進派と再生可能エネルギー推進派だ。
 原発推進派は「ほら、見たことか。原発を止めると経常収支が赤字になって日本経済を損なうのだ」とほくそ笑む。
 再生可能エネルギー推進派も「だからこそ、原発や火力に代わって国内で自給できる再生可能エネルギーをもっと推進せよ」となる。

 だが、この巨額の赤字は輸出依存型の日本経済にとっては良い面もある。
 この発表の後、円安が一段と進んだのだ。
 この前に日銀が金融緩和策を発表していて、そのときも円安となったが、1月の経常収支大赤字発表でさらに円安が進んだ。
 日銀も金融緩和策の成果がここまで出るとは予想していなかったようだ。

 世界経済が、アメリカ経済の復調に合わせて回復しつつあるので、日本の経常収支赤字と日銀の金融緩和策だけで円安に振れているわけではないが、どちらも大きな要因であることに変わりはない。

 日本の黒字が続いていた経常収支についても、その悪い面を考え直してみる必要がある。
 円高が続くのは、いくら円が高くなっても経常収支の黒字が続くからであって、経常収支が赤字になれば、円は弱くなる。つまり、円安となる。
 円安となれば、日本の企業は再び日本から輸出しやすくなって、国内の経済が息を吹き返す。

 だから、国内産業を弱体化させないためには円高基調にしないほうが良くて、あえて何かを輸入し続けて、いつも円安に振れる状態にしておいた方が良い。
 日本は加工貿易国なので、完成品を輸入するよりは、原料や燃料を多く輸入して、経常収支が極端な黒字に触れないように調整しておく。

 つまり、原発を使い続け、天然ガスの輸入を抑えることで、経常収支の黒字が増えてしまい、円高に振れて、国内の経済が苦しくなるので、原発を停止して天然ガスを輸入し続けることが日本の国内経済の強さに通じる。
 もちろん、天然ガス価格を引き下げる努力は必要で、北米の天然ガス価格はシェールガスの登場で極めて安くなっている。燃料調達先を広げれば、天然ガス価格を下げることはできる。

 天然ガス輸入の急増で経常収支赤字になり、円安に振れたことで、実はこれまで日本は原発を使用していたから日本の経済が停滞し続けていたのではないかとの疑念が生じる。
 全原発停止でしばらくやってみたらいい。

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2012年03月18日

震災ガレキの広域処理よりも放射能の広域除染

 3月17日に細野環境相は群馬県中之条町を訪れ、震災ガレキ処分の協力をお願いした。
 大手新聞への環境省の広告掲載に続いて、震災ガレキ広域処理のキャンペーンを環境相自ら率先して行っている。

 福島原発事故での放射能被災地はかなり広範囲にのぼる。
 福島県のみならず、宮城県、岩手県南部、関東全域、静岡県東部くらいまでが放射能に汚染されたと言える。
 これらの地域との県境地帯も放射能汚染地帯と言えるかもしれない。

 震災後に構造物が崩壊してできた震災被災地のガレキには、相当な量の放射性物質が降っていて、焼却場で焼却すれば放射能は濃縮されるし、排気ガス中の放射能もフィルターを通してもまったく無くなるわけではない。

 それでも、震災ガレキは焼却することによって、体積を小さくし、管理しやすくしたほうがいい。
 震災ガレキは移動させずに震災被災地の公園の地盤固めに使ったほうが良いという意見もあるが、それだと人々の生活環境に放射能が常に存在してしまい、雨水や雪解け水などで簡単に放射能は漏出する。
 できれば震災被災地で、放射能の環境への漏洩を防止できる高性能焼却場を建設するなり、既存の焼却場を改築して高性能化するなりして、焼却したほうが良い。
 だが、出て来た焼却灰は、震災被災地に安易に埋め立てするのではなくて、福島原発敷地内か、近くの居住不可能な地域に放射能分離施設を建設し、そこでさらに焼却灰から放射能を取り除いてから、埋め立てるようにする。焼却灰には放射能以外の有毒物質も含まれていて、有毒物質から有毒物質を取り除くのは虚しい作業かもしれないが、それでもやる。
 放射能の含まれた焼却灰を日本全国で埋め立てるということは、核燃料棒を切り刻んで全国にばら撒くのと同じである。焼却灰は集約して放射能を取り除き、濃縮された放射性廃棄物だけを原子炉の中へとできるだけ近づける。

 放射能被災地の中でもとりわけ汚染の深刻なのが、北関東の山間部と首都圏江戸川水系流域である。
 これらの地域も除染する必要があり、除染後の高放射能のゴミや土壌は焼却することになる。
 群馬県中之条町は、放射能汚染が深刻なエリアに含まれていて、そこの放射能の除染も必要で、放射能のゴミや土は焼却される。
 これらの深刻な放射能汚染地域には、放射能の漏出を防止する高性能焼却場が必要である。

 もし震災ガレキをどうしても分散して処理したいなら、震災被災地以外の高濃度放射能被災地での除染活動とセットにして、処理するのが合理的と言えるだろう。
 たとえば、中之条町を含む北関東の山間部の落ち葉を集めて、長期の除染活動を行うことにして、放射能濃度の高い落ち葉を焼却する専用焼却炉を設定する。そこで震災ガレキも燃やす。
 落ち葉が除去されると山地の栄養の循環が働かなくなり、土地が痩せる危険があるので、そこには西日本の安全な腐葉土を入れる。
 同様に江戸川水系流域でも、取り除いた土壌や砂に代わって安全な西日本の土壌や砂を入れる。

 つまり、日本を放射能汚染から回復させるために、全国に震災ガレキをばら撒くのではなくて、放射能汚染されていない西日本には、安全な土壌の放射能汚染地帯への提供によって貢献してもらう。
 安全な日本の土を守るためにも、西日本や北海道などの放射能汚染されていない地域で、震災ガレキを焼却し、埋め立て処分すべきではない。

posted by 春眠 at 10:30| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月20日

財政苦境にある日本の贅沢な海外投資

 安住財務相が中国政府から中国国債約8640億円相当の購入許可を受けたと明らかにし、中国国債購入の意向を示したとき、人によっては不思議な感じがしたのではないか。
 日本はいつも財政が苦しいと報じられる。GDPの伸びは悪いのに政府の借金だけは増え続けている、将来の社会保障制度を維持するためにも増税しなければならない、本当はギリシャよりも財政状況は酷い、などの厳しい財政状況がいつも声高に叫ばれる。
 それなのに、この時期に突然中国国債を8千億円以上も買うという政府の意向が伝えられる。

 国民にはもっと負担せよと増税だけやたらと熱心な現政権ではあるが、政府は優雅に海外投資をしゃれこんでいる。
 これはまるで国民が飢え死にするのを眼下に眺めながら、老舗料亭の高級料理に舌鼓を打って、海外投資の話に興じている特権階級のようだ。

 東日本の半分が放射能汚染されてしまっている。その被害は深刻で、未だに東日本の食品は海外で輸入規制の対象になっている。
 政府はまともに放射能の害と向き合うこと無く、食べて応援などとキャンペーンを繰り広げているが、世界はまったくついて来ない。
 放射能被害の拡散防止と高濃度放射能汚染地帯の住民、特に子供たちの保護のために巨額の予算を投入すべきなのに何ら具体的な動きは見えず、逆に安全キャンペーンに巨額の宣伝費を費やしている。

 中国国債の購入には、戦略的な意味もあるのだろう。中国が日本の国債を購入しているのに日本が中国の国債を持っていないのはバランスが悪いとか、投資価値があるとか、日本最大の貿易相手国・中国の経済を支える必要があるとか、こういう理由はわからないわけではない。
 だが、こうした理由が納得できるのは、日本にもっと余裕があるときだ。
 今は財政が苦しいだけでなく、東日本の半分が放射能汚染されるという重大な危機に直面しており、優雅に海外投資をする余裕など無いはずだ。
 おそらく財務省のシナリオに不慣れな担当大臣が乗ったのだろうが、国民を見ずに財務省が仕事をしていることがわかる良い事例となった。
 今回ばかりは、世界の経済動向を注意深く観察しながら、タイミング良く金融緩和策を発表した日銀のほうが国民を見ていたことになる。
 こうなると財務省が仕組んだ社会保障制度維持のための増税というシナリオも国民のためではなくて、財務省を守るためにやっているのではないかと勘繰りたくなる。

posted by 春眠 at 14:37| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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