2011年10月21日

首都圏に放射能をばら撒いたのは何号機の爆発か? 後段

 原子力の有識者は反原発派も含めて、福島原発事故では2号機圧力抑制室の爆発によって放射能汚染が広がったのだという。外界と原子炉がつながったからというのがその理由だ。

 私はあえて異議を唱えたい。
 15日の首都圏の放射能汚染は14日の3号機の水素爆発であり、16日の首都圏の放射能汚染は4号機の火災だと主張する。14日午前11時ごろの3号機爆発から15日の首都圏放射能汚染の経過時間と、15日午前中の4号機火災から16日の首都圏放射能汚染の経過時間はほぼ同じだからだ。

 アメリカのNRCは運転停止中の4号機の火災を重く見ていた。ヤツコ委員長は4号機の燃料プールには水が無いと公言した。NRCは4号機火災がウラル核惨事の悲劇の再現となるだろうと悲観したはずだ。
 ウラル核惨事では、核廃棄物を冷やす冷却装置が壊れたのに気づかずに大爆発を起こした。風下100kmで極めて高いレベルの放射能汚染があり、多くの人々が重篤な健康被害で苦しんだ。
 だから、4号機の火災で世界のすべての核専門家が終末を脳裏に描いた。
 ところが、その後の調査で4号機燃料プールには水があると確認され、世界の核専門家は不思議に思いながらも胸を撫でおろした。

 では、なぜ4号機建屋は燃えたのか?

 なんと、3号機と4号機が配管でつながっていたことがずっと後でわかったのだ。誰だ! こんな設計をしたのは! もっと問題なのは、東電も日本の原発専門家もすぐにこの事実をわかっていなかったことだ。(わかっていたら、3号機と4号機をつなぐ配管を早い段階で遮断しただろう)
 4号機の火災(爆発?)はつながった配管によって3号機から漏れた水素が関係していたのだ。当然ながら、3号機から大量の放射性物質も4号機に移っていた。

 3号機は悪名高きMOX燃料を使っている。MOX燃料はウラン燃料よりも壊れやすい。地震によって3号機原子炉の冷却システムが損傷し、機能低下していたなら、MOX燃料の損壊で大量の死の灰が排出されたと推測できる。

 3号機爆発のときも、4号機火災のときも、1号機爆発時よりも時間が経過していたので、大量の水素が3号機、4号機には溜まっており、爆発力も大きかった。
 一部の専門家からは3号機は燃料プールで部分的な核爆発があったのではないかと指摘されているが、たとえ核爆発が無くても相当量の水素による爆発ポテンシャルはひどく高まっていた。

 とにかく、繰り返しになるが、15日の首都圏の放射能汚染は14日の3号機水素爆発のせいであり、16日の首都圏放射能汚染は15日の4号機火災のせいである。
 1号機爆発は地表面に沿って噴煙が流れたので、放射性物質は遠くには飛ばずに次々と近傍の地面に落下する。2号機圧力抑制室爆発では、放射性物質は水とともに建屋の底に向かって流れ落ちる。
 3号機爆発で上空へ飛び上がった放射性物質は風に乗る。4号機の火災でも放射性物質は煙に乗って空高く舞い上がり、上空で風に乗る。風に乗れば、放射性物質は軽く1300kmは飛ぶという。原発事故現場から300km離れた茶畑の茶葉に放射能がべったりついていたとしても不思議は無い。

 ところで、爆発、さらに火災といえば、チェルノブイリ原発事故で起きたことと同じだ。チェルノブイリ原発事故では1機だけでそれが起きたが、福島では3号機と4号機の2機のコンビネーションで同じことが起きた。
 福島原発事故では4機も壊れた。こんな原発事故は前代未聞、史上空前ではないか。チェルノブイリ原発事故以上のとんでもないことが起きているのではないのか?

 とりあえず、福島原発が黒鉛炉でなかったことに感謝しよう。地震に弱いGEマーク1型原子炉の圧力容器と格納容器はボロボロになりながらも、幸運なことに(これだけ首都圏に死の灰が降っても!)超最悪の事態だけは回避してくれた。



posted by 春眠 at 07:32| 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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