2011年12月19日

杉並区の芝生シートの放射能汚染から見える首都圏の校庭の不安

 杉並区の小学校の芝生の養生シートから9万6百Bq/kgのセシウムが検出され、首都圏での放射能汚染の深刻さが浮き彫りにされた。

 芝生は、冬の寒さに耐えられずに傷んでしまうので、寒さから守るために冬の間は芝生に養生シートを被せておく。
 保温性だけを考えて養生シートをつくれば、水分や空気が塞がれてしまうので、保温性を確保しながら水分や空気が芝生にも与えられるように通水性と通気性にも配慮されて芝生の養生シートはつくられている。
 保温性と通気性・通水性を両立させるために芝生の養生シートには無数の極微小な穴があけられている。

 杉並区では、この養生シートを4月上旬まで芝生に敷いていたので、ちょうど3月中旬の福島原発の爆発のときに飛び散った放射性物質を捕捉してしまった。
 養生シートが表面の滑らかな単なるビニルシートであれば、放射性物質は滑って止まらなかったはずだが、微小な穴が無数にあいていたせいで、穴に放射性物質が取り込まれてしまった。
 良い方に考えれば、芝生の養生シートが飛散する放射性物質を捕獲してくれたとも言える。

 杉並区によれば、12mx5mの芝生シートの一断片を計測したところ、上記の放射能が検出された。シートの重さは5kgだという。
 シートを畳んでいたときに0.61μSvが確認されたため、問題に気づいたようだ。ちなみにシートを広げた場合は0.1μSvになったという。

 もうおわかりだと思うが、この値を使って、ちょっとした数字遊びができる。

 芝生にかけられた養生シートの放射能汚染ということで、土の表面に降り注いだ放射能と同等にみなすこともできる。
 一般的にBq/kgからBq/uへの換算には65倍すればいいとされている。単純に上記の値を65倍すると約5百90万Bq/uとなり、チェルノブイリ強制移住基準の55万5千Bq/uを超えてしまう。
 これは杉並区だけの問題ではないだろうから東京都をはじめとして首都圏は強制移住レベルなのかと思えてしまう。

 だが、別の仮説も成り立ちうる。
 5kgのシートに降り注いだのであるから、単純計算してみると総量で45万2千5百ベクレルの放射能があったとみなせる。
 これが12mx5mの面積60uのシートに降り積もったのであるから、面積で割ると、約7千五百Bq/uとなり、少ないとはいえないが、居住エリアのレベルに収まっているとみなせる。

 土壌の放射能濃度を計測する場合、下の土と薄められるので、表面の放射能濃度に直すときにBq/kgを65倍することになるが、放射能を全量、シートが捕捉したとすれば、65倍するよりも、シート全体の量を面積で割ったほうが実態に近くなる。

 とはいえ、大量の放射性物質が首都圏に降り積もった事実は翻らない。
 首都圏の土壌は全般的に粘土質のため、さほど放射性物質が舞い上がることは無いだろうが、校庭には砂が多く含まれているために舞い上がりで生徒が放射性物質を吸入する危険がある。
 首都圏の校庭についても表面を剥ぐということを考えたほうが安心かもしれない。



posted by 春眠 at 14:44| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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