2012年01月03日

リービングラスベガスと医学生崩れ

 リービングラスベガスという小説を一読したとき、駄作だと思った。
 単なるアル中と娼婦のどうでもよい恋を描いただけで、スキャンダラスをアピールしているとしたら、もう飽きているテーマでもある。

 それでも、読み込んでみると人生とか、世界、宇宙についての箴言めいたものがあり、まあ純文学としてそれなりの評価はできるだろうと思ったが、その程度でしかない。

 それでも気になったのは、仕事仲間にこの小説をもとにした映画「リービングラスベガス」を推していた者がいたからだ。

 その男と酒を飲んでいたとき、やたらとこの映画を褒めまくる。
 酒好きの男だったから、気に入ったのかとそのときは思った。

 彼は超難関の医学単科大学に入学した。
 入学した、としか言えないのは、彼が医師の資格をとらなかったからだ。
 卒業したのかどうかは記憶にない。

 彼は、最初の人体解剖のときに人はたんぱく質の塊にすぎないと認識したそうだ。(モーパッサン的だね)
 人が自殺しないのは、単に死ぬときに痛いからとかそんな理由にすぎないとも言っていた。(ここはニーチェっぽいね)
 
 そういう冷めた男が、こういうねちっこい映画を称賛するのがよくわからなかったので、ことさら印象付けられてしまった。

 とにかく、医学部での人体解剖の後に彼にとって人間は、人権団体や一部のアーティストが声高に叫ぶほど尊いものでもなくなってしまった。



posted by 春眠 at 11:49| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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