2012年02月03日

京大原子炉実験所で語られた黒い雨

 京大原子炉実験所で学者たちが福島原発事故での放射能の農作物への影響について議論、というよりはリラックスして会話をしている様子がユーチューブにアップロードされている。
 宮越吉郎という人が昨年の10月に撮影したもので、原発の危険性を訴え続けた小出助教や今中助教を中心に京大原子炉実験所と京大農学部の研究者たちが登場している。
 学術的な内容を話しているのだが、皆非常にリラックスしていたこともあって、公式の場で話されるようなすでに確定した内容だけでなくて、可能性や発想が語られていて、とても興味深いものとなっている。
 グラス片手に語り合っても良さそうな雰囲気があったが、もちろん、彼らはアルコールはおろかお茶も飲まずに話している。

 ときとして学者たちのリラックスした会話の中に真実が見えることもある。
 たとえば、ニュートンが万有引力の法則を発見したと言われているが、当時のイギリスのアカデミアではそんな会話がよくされていたという。ニュートンはその断片的な会話をまとめただけという専門家もいる。
 真理が噂話や雑談の中に転がっていることがままある。

 会話は、福島の雨水や水道水の放射能汚染の話から始まり、福島とチェルノブイリの農作物の放射能汚染の話へと進む。
 今中助教は、チェルノブイリでは森の中で育つものはベリー類やキノコを含めてすべて汚染されているが、りんごのような大きい果実は汚染が少なかったと語った。
 福島原発事故でも、キノコの汚染は酷く、大きな果実の汚染も無いとは言えないが、小さかったようだ。

 日本のウラン採掘現場となっていた人形峠では、循環型の有機農法をやっていたため、放射能濃度の高い野菜ができてしまったと京大の農学研究者は報告する。だから、農作物を肥料として田畑に返すようなことをするといつまで経っても放射能が減らないのではと推察している。

 チェルノブイリの森の中の野生の食べ物、キノコやベリー類は、自然が与える循環型の栄養分によって放射能も循環してしまうため、いつまで経っても高レベルの放射能濃度で止まってしまったのだろう。
 同じくチェルノブイリの牛乳で人々が被曝したのも、乳牛を自然環境で育て続けたために放射能の循環が起きてしまい、放射能汚染を深刻にしてしまったのかもしれない。
 エコロジーであることがチェルノブイリでは裏目に出てしまった。

 京大の研究者たちは、農地からのセシウムの除去は非常に難しいので、有機農法を諦めてカリウムを多く含んだ化学肥料を多めに使えば、農作物へのセシウムの侵入を減らせるだろうという。今中助教によればチェルノブイリでの経験もあるようだ。
 小出助教は、カリウムの肥料を使えば、カリウムでの被曝が増えてしまうから、どっちもどっちかもしれないと付け加えていた。化学肥料の線量は結構高いらしい。
 これは、笑い話のような笑えない話だ。

 また、去年の福島の農作物は植物病が少なく、害虫もつかなかったため豊作だったという農業研究者からの報告があった。
 この件に関して、今中助教は広島原爆の爆発後に黒い雨の降った農地は豊作だったという噂話に触れた。
 放射能で害虫が死んでしまったのかとも思えるが、あくまでも噂話のレベルだと今中助教は断っていた。
 だが、ちょっと気になる黒い雨の噂話ではある。



posted by 春眠 at 10:17| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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