2012年02月05日

進展しそうな沖縄の基地移設

 今日、毎日新聞は日本政府関係者の話として、沖縄基地移設に関してグアム移転を先行させると伝えている。
 米海兵隊の移転先はグアムだけでなく、ハワイ、フィリピン、それにオーストラリアが含まれるという。
 この移転先を見ると明らかに中国の海洋進出、特に南シナ海域への中国海軍の脅威を意識したフォーメーションとなっている。

 フィリピンはかつて国内の米軍基地を閉鎖し、米軍を撤退させた過去があるのに再び新たに米軍を受け入れるというのは驚きでもある。
 もしフィリピンによる米海兵隊受け入れが本当に進むなら、フィリピンが軍事大国・中国のフィリピン領海域への進出に対する強い懸念を明示することになる。
 また、オーストラリアへの米軍駐留については、昨年11月にオバマが興奮して発表しており、オーストラリア政府からも歓迎されている。
 西太平洋の米軍を沖縄に集約するのではなくて、西太平洋諸国に分散して配置することで、中国海軍への壁をつくることができる。軍事戦略的には、通信機器の発達で分散型の配置でも、まとまったオペレーションができる技術はあるので、悪い案ではないだろう。

 ただ、このニュース源が、日本政府関係者となっているのが気になる。官邸なのか、防衛省なのか外務省なのか、政務三役なのか高級官僚なのか、中堅官僚なのか、これは観測気球で流されたのか、かなり煮詰まった実際の話なのか。ニュース源の意図も入っているはずなので、そこが不明となっているのがむず痒い。

 そして、グアム移転を先行させることで普天間に固定化するかどうかは、今後の日本政府の対応次第だろう。
 昨年の震災後にアメリカ議会の軍事関係の重鎮議員であるレビンとマケインが普天間を既設の嘉手納に統合し、辺野古への移設を諦めるようにと発言している。嘉手納統合案は地元にも反対はあるが、かなり歩み寄った意見ではある。
 アメリカ議会でこのような発言が出た理由は、日本には大震災で移設の費用が無いだろうということだった。
 だが、その他に、東日本大震災のトモダチ作戦で、米国本土を母港とする空母ロナルド・レーガンによる非常に効率的なヘリコプターのオペレーションができたことも、米軍が日本駐留に拘る理由を薄めたと思う。
 それでも、西太平洋の壁に振り分けられる兵力が全体として減ると、中国海軍の海洋進出への防御での弱さを見せることになるので、軍事関係者は総兵力は維持したいと望むだろう。

 沖縄の市議団もアメリカの議員と交流しているようで、議員間の理解は深まっていると思うが、軍事戦略、軍事戦術については、米国防総省は議員よりも米軍の意見を尊重するだろうから、議会の意見と行政の意見の食い違いも出て来る
 日本でもよくある政府と議会の対立のようなものだ。
 行政の論理・都合と議員の背後にいる人々の思いはしばしば矛盾し、対立する。



posted by 春眠 at 11:43| Comment(0) | 外交・軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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