2012年02月08日

パナソニックの赤字と人々にとってのテレビ

 パナソニックは2012年3月期の決算が過去最悪の7800億円の赤字に落ちることを発表した。このところ国内電機メーカーの酷い業績予想が次々と発表され、日本の電子産業の落日を思わせる。

 国内電機メーカーの足を引っ張っているのは、テレビ事業だという。
 震災による需要減もあったろうし、円高やタイの洪水の影響もあったし、海外メーカーとの価格競争も激しい。
 テレビ事業の業績不振要因に今年起きた出来事をいくつかあげているが、パナソニックのテレビ事業が不振なのは今年度だけではない。過去2年も連続で営業赤字だった。
 地上波デジタル化によって、家電業界は新しいテレビ・ライフを提案し、テレビ事業再生の起爆剤にしようとしていたのに目論見がはずれた。

 家電業界全体のテレビ出荷台数については、一昨年は前年比84%増で、昨年は7月までは同32%増となり、地上波デジタル完全移行を目指して、テレビの出荷台数が上がっていたことはわかる。

 ところが、地上波デジタル完全移行が終了した昨年8月以降はさっぱりテレビが売れないようだ。
 また、昨年9月には、NHKの解約が9万件超となったことも伝えられた。これは、僅かとは言え、テレビ視聴者数の減少を示している。

 本当に安値攻勢だけでメーカーのテレビ事業が儲からなくなっているのかを疑う。
 テレビの買い替えにしても、テレビを見られなくなるとはっきりした理由は無いものの何か困るのではないかとの防衛本能で買い替えた者が多いからこそ、高価なものよりも安売り品に人々は飛び付くので、メーカーの収益には貢献しない。
 テレビ局や家電メーカーが考えているほど、人々はテレビ視聴を重視しなくなってる。
 テレビをデジタル化しなくても、PCをインターネットにつなげば、世界中から情報と映像を受け取ることができるし、PCユーザーの発信の手段もいくつもある。
 PCとインターネットに慣れた人々は、デジタル化されたテレビを相手にしてる暇は無い。

 パナソニックは半年前の通期予想で、テレビ事業の業績が悪化する理由として震災の影響をあげていた。
 それは当たっていた。
 震災による原発事故で、原発推進派よりのテレビ報道に人々はうんざりしたのだ。
 テレビの必要性について多くの人々が疑問に思い始めている。

 価格競争だけでない、もっと根本的な問題がテレビにあるとすれば、その問題を読み誤ると、大手家電メーカーは再生の道を誤ることになる。



posted by 春眠 at 11:14| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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