2012年02月18日

宗教的パワーと行政改革

 大阪市の橋下市長が大阪府知事時代に世間で大いに騒がれたのが、私学助成金をカットする方針を打ち出したときで、教育関係者のみならず私立高校に通う高校生も巻き込んで大激論が沸き起こった。
 私立高校にはあまり豊かでない家庭の子供も多く通っていたので、府知事は大阪府の財政を健全化するといっても、単に弱者にしわ寄せしてるだけではないかと思った人も多かった。
 ところが、私学助成金カットとともに低所得者の子弟には経済支援する方針も打ち出し、本当に手当てを必要とする層に限りある府の予算を回しただけなのだとわかり、決して弱者へのしわ寄せでないことはわかった。
 他の件では批判はあるだろうが、この件については、弱者救済をしながら、財政を圧縮した手腕は素直に評価されていい。

 大阪府知事から大阪市長になっても、同じ手法をとるようで、大阪市の高校の統廃合についても、高校が減ると通学費に苦労する生徒が通えなくなるという意見に対しては、そういう子供には通学費の支援をすればいいと言い切る。
 教育の質向上と効率アップという相矛盾する改革に取り組んでいる。
 受験が激しかった時代は、教師が何もしなくても生徒のほうで勝手に勉強してくれたが、今はそういう時代ではなくなり、橋下は教師の質の向上を重視している。

 そこで話題になっているのが、君が代斉唱時に起立しない教員を指導し、罰するという方針だ。
 思想信条の自由を害する思想統制のようにも思える。
 困窮している生徒には優しく、教育の質向上を目指して、教員や教育委員会には厳しいのは良いとしても、思想信条の自由くらい許しても良いのではと思う。

 実は似たような手法をとった政治家が他にいる。
 国鉄や電電公社の民営化を成功させた中曽根康弘は靖国神社に公式参拝し、郵政民営化を実現した小泉純一郎は首相在任中に終戦記念日での靖国神社参拝を行っている。
 大掛かりな行政改革を実行した政治リーダーは、どうも国家神道に傾きがちなようだ。
 たった一人で組合の強い巨大な組織に立ち向かうのであるから、大人気の政治リーダーも弱くなるのかもしれない。
 巨大な組合や組織よりも強い何か、政治リーダ−よりも強い偉大な力に頼りたくなるのかもしれない。それが日本では国家神道的なものになる。

 ロシアでも似たようなことがあった。
 プーチンは2000年にロシア大統領になると、がたがたになっていたロシアの行政と経済を立て直した。プーチンは今はその強権的な手法に批判もあるようだが、大統領在任中は大多数のロシア国民が支持した。
 そんなプーチンは大統領在任中にロシア正教とユダヤ教の両方を大いに持ち上げた。
 共産主義という宗教じみた精神的支えを失ったロシアで、宗教を通じてロシア国民の精神統合を狙った。精神の統合されたロシア国民に自分の政策を流し込む。
 プーチンは強いリーダーと言われているが、それでも神様には敵わない。



posted by 春眠 at 09:34| Comment(0) | 政治・経済・社会・文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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