2012年03月14日

南相馬市の黒い粉に止まらない低線量被曝の広がり

 南相馬市で見つかった藍藻に集積された放射性物質から核種として確定したのはセシウムだけだが、β線とα線の反応も見られるようだ。
 かつて病気の治療薬としてα線核種が使われ、その副作用でがんが発生することが投与の30年後に確認されているので、α線の存在は気になる。

 高い放射線を発する黒い粉が発見された南相馬市では健康障害も出ているようだ。
 広島原爆症患者を長年診断し続けて来た肥田舜太郎医師は、この地域で脱毛が見られる女性の症状が被曝影響と思われるとラジオで発言している。
 この女性がかかっている医者は放射能の影響ではないと主張しているが、それだけ福島県内の医師が神経質になっているのだろうと肥田は言う。
 また、東京都内の集会で、南相馬市で除染ボランティアをしている男性が、心臓発作を起こす住民が出ていると警告していた。
 どちらも今のままでは放射能との直接の関係を示すことはできず、憶測で止まってしまうだろう。

 だが、南相馬市でα線を発する黒い粉が至る所で発見されたと知ると、やはり昨年の春ごろはα線核種も大気中にあって、それを吸い込んだ住民もいたのではないかと推測する。
 首都圏を走っていた車のエアフィルターからα線核種が検出されたことが、アーニー・ガンダーセンとクリス・バズビーの調査でも報告されているので、南相馬市にα線核種が浮遊していたとしてもおかしくはない。

 首都圏も福島とは程度の差はあっても放射能汚染されている。
 α線核種は、医学的にも健康影響が出ることがわかっているので、人間の身体に起きた異変は、その人が過去に経験が無ければ放射能の影響と考えることもできる。
 首都圏でも、食物に注意しても爪が剥がれる幼児がいるなど、大気中の放射能の影響が疑われる症例がいくつも市民グループによりネットで公表されている。

 東京都港区に住んでいた母親は、自分の子供を含めた5人の子供の尿からセシウムが検出され、砂場の砂を入れ替えても2ヶ月後には砂場から再びセシウムが見つかる状況に嫌気がさして、関西に避難した。
 港区といえば、昨秋、小型スーパーが進出したエリアでもある。人々が去るエリアの不動産の価値は下がる。小型スーパーが進出しても採算が合うレベルまで実際の不動産価格が下がっているのかもしれない。

 クリス・バズビーは日本で講演したとき、ベクレル値に応じて放射能汚染地域の住人は原子力産業から賠償してもらえと言っていたが、あながち冗談とも言えなくなっている。



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2012年03月12日

南相馬市の黒い粉でわかった藍藻の除染効果

 南相馬市で発見された黒い粉の高い放射線量の原因は、藍藻が放射性物質を吸着させたからだと植物学者から指摘されている。

 ところで、原発村の放射能廃棄の研究で、コケやカビが放射性物質を吸収することがわかっている。
 藍藻もコケの一種と見られていて、こうした原始的な生物は、無節操に無機物や有機物を吸収してしまうようで、放射性物質をも吸収してしまうのだろう。
 水槽などに汚れた水を放置しておくと藍藻はすぐに発生するようで、水の中の汚れをバクバク食べてどんどん増殖してしまうようだ。

 南相馬市ではこうした枯れた藍藻と見られる放射能を多く含んだ黒い粉がたくさん見つかっていることから、藍藻は、無機物の栄養が降って来たと放射性物質をバクバク食べてしまったのかもしれない。
 その枯れた藍藻が集まって黒くなった粉が至る所にあるようなので、原発事故以前に枯れた藍藻がこのように大量に見つかっていなかったのなら、その原因を考えてみる必要がある。

 京大の農学研究者が昨秋福島では豊作だったと伝えている。害虫がいなかったようで植物病が無かったのだそうだ。
 害虫がいなかったことと枯れた藍藻というのはどこかつながっているように思える。
 これらの微小な生物が放射能を吸収することで、微小であるがゆえに放射能の影響が大きく、内部被曝により殺されてしまったのではないかと推測できないこともない。

 南相馬市では現在は大気中に放射能は検出されなくなったようだが、昨年は検出されている。
 これらの放射能が落下したときに藍藻に吸着したと見ることもできる。

 藍藻は湿っぽいところを好むので、大気中から落下したものをそのまま吸収するよりも、どちらかといえば、雨水や雪解け水などの水で流された放射能を水の滞留する場所で吸収したほうが多いのではないかと考えることもできる。
 放射能吸収によって枯れた藍藻が、乾いた日に舞い上がって、アスファルトやコンクリートの上の風の吹きだまりに集められ、目立つので市民によって発見されたのだろう。

 藍藻がどうのようにして放射能を集めているのかよくわからないところがある。
 単に藍藻が放射能を栄養と勘違いして内部に吸収しているのか、あるいは、藍藻の表面にくっつきやすいので集まるのか。
 いずれにしても、藍藻が放射能を集めやすいことはわかったので、吸着の仕組みを分析すれば、放射能の除染剤として利用できるかもしれない。
 たとえば、放射能のこびりついた屋根に藍藻の成分の混ざった薬剤でパックしてしまい、パックをはがすときに放射能もパックにべっとり貼り付くようにすれば、取りにくい屋根の除染に活用できる。
 化粧品で使われる肌のパックでは皮膚組織にこびりついた老廃物を取り除くことができる。こうした肌パックの研究者も交えて、化学、分子生物学、植物学、放射能廃棄の専門家らが協力すれば、ユニークな除染剤が開発できるかもしれない。
 そこまでしなくても、水の流れの滞留するところに藍藻を繁茂させておけば、藍藻が放射能を自然に吸着してくれるので、ある程度放射能が溜まったら、その都度藍藻を除去していけば、放射能の除染になる。

posted by 春眠 at 11:12| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月09日

南相馬市の黒い粉とホットパーティクル

 南相馬市の市長は、東京マラソンに参加したとき首都圏の大手メディアに取り上げられ、彼の復興への強い意志が伝えられた。
 その一方で、ほぼ同じ時期に南相馬市で発見された放射能濃度の高い黒い粉が主にネットで話題になっていた。

 飯舘村もそうだが、原発被災地の首長の話がしばしば首都圏や京阪神の大手メディアで伝えられても、そこで暮らす人々の中には、首長の方針に批判的な人々がいることをこうした大手メディアの報道は忘れさせてしまう。

 飯舘村には、村長の強引な帰村方針に批判的な若い住民がいることがネットではわかる。
 同様に南相馬市にも、市長の災害復興方針に批判的な人々もいる。
 こうした人々はネットを通じて貴重なメッセージを発信してくれている。

 南相馬市の大山こういち市議もそんな人々の一人で、彼は精力的に市内の黒い粉の放射線量の計測を行っている。
 市内至る所に黒い粉は存在し、どれもが高い放射線量を有していることが彼のブログに記載されている。

 放射能が藍藻に固まってできているという黒い粉のγ線量の高さも気になるが、もっと気になるのはα線が検出されているらしいことだ。
 詳しい核種分析を提案しているようだが、役所の対応には真剣さが足りないようだ。
 α線の核種分析には1カ月ほどかかり、高い専門性が必要なので、適当な分析機関を見つけるのが難しいのも事実だろう。
 そうであれば、とりあえず全α放射能を精度の高い計測機で計測してみてはどうかと思う。核種ごとに何ベクレルと細分化しても、結局核実験時のときの量と比べて多い、少ないという話にすり替えられてしまう。
 プルトニウムがどれだけあったかではなくて、プルトニウム、ウラン、アメリシウムなどの全α線放射能がどれだけあるかのほうが重要だ。

 ところで、ホットパーティクル仮説には懐疑的な見方をする専門家も多い。だが、今でも一部の内部被曝の専門家は、この説を根拠に説明している。
 いく種類もの放射性物質が微粒子として固まって飛散し、飲食や呼吸によって体内に取り込まれ、健康被害をもたらすというのだ。
 そのとき、たとえば放射性ヨウ素にα線核種がくっついていれば、放射性ヨウ素がα線核種の運び手の役割をして、甲状腺にα線核種を集めてしまう。同様に放射性セシウムにα線核種がくっついていれば、筋肉にα線核種を集める。
 つまり、α線核種が特定の臓器や器官との結びつきが無くても、臓器との結びつきの強い核種といっしょに体内に吸収されれば、その臓器や器官にα線核種が集まってしまう。

 もちろん、ホットパーティクル仮説には異論もある。
 だが、医療では、特定の臓器とくっつきやすい化合物に放射性物質を付加して、その狙った臓器にデリバリーするという治療法があるのも事実なので、ホットパーティクルが猛毒のα線核種を体内に運ばないとも否定できないのではないか。
 α線核種を単独で経口摂取しても、排泄されやすいようだが、こうしたホットパーティクルという形になると、異なる挙動を体内で示すと仮定しても良いように思える。
 また、吸入で放射性物質を肺の奥に取り込めば、これも排泄されにくい。
 α線放射能の内部被曝による健康被害は、コソボ、イラク、アフガニスタンの劣化ウラン被害だけでなく、α線核種を使った薬剤の副作用として医療現場でも証明されているので、注意が必要なことは言うまでもない。

 市長の東京マラソン参加をきっかけにして、南相馬市は震災被害からの復興をアピールしたいのに黒い粉騒動が大きくなれば、水を差された格好にもなるだろう。
 だが、住民の健全な復帰・居住のためにも、ホットパーティクル化した黒い粉のα線量、β線量を精密に調べ、その飛散の道筋を明らかにして、問題点・危険性を正確に把握することから始めるべきだろう。

posted by 春眠 at 11:34| Comment(0) | 原発・放射能・自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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