2011年11月19日

ユーラシアの2つの超大国 ロシアと中国

 ロシアと中国はユーラシア大陸の大部分を占有していて、国土の広さからすれば十分に超大国だし、最近の目覚ましい経済成長により、経済的にも超大国となった。

 この2つの超大国が日本を含めたアジアや欧米とどのような問題を起こしているかを整理してみる。

・ロシア
 ウクライナの親欧米政権に対する政治的嫌がらせによる2006年のウクライナへのガス供給停止措置で、中欧、西欧諸国は、冬のエネルギー不足に陥った。
 また、親欧米派のユシチェンコへの噂される不当な嫌がらせがあったことなどへの反発が欧米にはある。
 イラン原発開発については、ロシアは中核技術を提供しており、そのことでアメリカはロシアに不信感を抱いている。
 日本とは北方領土返還を巡る問題が未解決のままで、ロシアは一段と強硬姿勢を強めている。ただし、ロシアは西側諸国との領土問題の一部は解決させていて、友好的な条約を結ぶようになってはいる。

・中国
 日本とは尖閣諸島問題がもっとも重い政治課題となっている。経済的には、中国進出企業が中国の政府当局から図面などの技術情報の提出が前触れも無く求められることがあり、技術流出が心配されている。また、新幹線輸出によって、日本の技術だけでなくヨーロッパの技術も中国製に不正に使用されていて、問題になっている。
 アメリカの携帯電話メーカー・モトローラはかなり長期に渡って中国市場にコミットしてきたが、中国での無理な拡大が足を引っ張り、業績悪化により会社を分割せざるを得なくなった。中国は製造コストが安いので、先進国で売るには良いが、外国企業が中国国内で本格的にシェアを上げようとすると製品価格の値崩れを起こし、販売量が増えても利益が伸びないというジレンマに陥る。
 外国製品を売る中国の販売会社は、中国の共産党関係者が経営していると言われており、一見自由に見える販売活動も、裏ではうまくコントロールされているのがわかってくる。つまり、外国企業には中国国内では儲けさせてはくれない。外国企業から巧みに手に入れた技術が中国国内企業に回り、いつの間にか中国企業がシェアを奪い、中国国内販売増大をテコにして海外にも進出し、成功している。
 さらに、中国は東南アジア諸国とも南シナ海の領海を巡って争いを引き起こしていて、東南アジア諸国との緊張が高まっている。

 このような象徴的な問題だけを取り上げると中国もロシアもまるで世界を敵に回しているようにも見えるが、両国ともその政治力によって、諸外国から排除されることもなく、逆に接近し、関係を強化しようとする国が多い。
 日本にとっては、両国ともに北朝鮮の友好国であり、財政的に苦しい北朝鮮を支援するので、いくら日本が北朝鮮拉致問題解決を目指して経済制裁をしても、ほとんど効かないのがやりきれないところだ。

 中国とロシアは、日本の北朝鮮拉致問題では解決を遠ざけ、領土問題では日本と対立していて、国としてやりにくい隣人ではある。もちろん、個別の人と人との関係については、国の問題とは別に考えたい。

 そんな状況で、今、日本に降りかかっている外交課題がTPPだ。一部ではTPP参加によって国内産業が壊滅し、国を滅ぼすと主張してる人もいて、TPP反対の国内政治勢力も勢いを増しているようだ。
 TPP反対派は、TPP賛成派が経済メリットを言えなくなったので、対中国でTPP参加はメリットがあると言い出していると批判している、とも耳にする。
 ただ、TPPについては、経済課題が外交防衛課題へと拡張しているのも事実で、その点だけを取り上げれば、上記の日本の重要外交課題解決のために、TPP参加はTPP反対の愛国派にとっても多少のメリットはある。



posted by 春眠 at 07:24| Comment(0) | 外交・軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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